エルビス・プレスリー登場の、米国白人音楽業界の裏事情 - R＆R,BLUES,R＆Bのルーツの旅／K-UNIT kunisan1957

Bill Haley - Rock Around The Clock

後付けでブルース、R＆Bのローカルヒット迄遡ると、諸説色々ありますが、全米で初めて大ヒットしたR＆Rナンバーは、1955年、映画「暴力教室」の主題歌に使われた、ビル・ヘイリーと彼のコメッツの、「ロックアラウンドザクロック」で間違いないわけですが、この方、ティーンエイジャー向けのアイドル人気になるほどのカリスマ的な求心力が、年齢的にも既に30才の、妻子持ちのベテランミュージシャンで、、、しかもみての通り、小太りで、女のコ含め、ティーンエイジャーを熱狂させるような、所謂R＆Rスターの風体をしていなかった（演奏力は流石ベテラングループ、今聴いても素晴らしいですが）。

さて、映画「ＲＡＹ」を観た方ならわかるように、当時は「黒人公民権法案」すら議会に提出されてない、もの凄い黒人差別の米国は時代ですから、本来黒人のR＆B、ブルースを「R＆R」と、新しい音楽のように称し（差別主義者の白人層から、顰蹙をかわない為という説もあります）、自分のラジオで流しまくった白人ＤＪ、「R＆R」という言葉の産みの親と言われる、アラン・フリードみたいな人は別にして、普通の白人達は、このふって湧いたR＆Rブームに黒人達だけ「金儲けする」のは面白くないし、真剣に「教育上よくない」と、当時の米国白人の大人達は思ってたそうで、、、

そこで米国白人音楽界が白羽の矢をたてたのが、地元メンフィスでは既に人気者だった、黒人のようにシャウトする、黒人ファッションに身を包み、黒人のようにダンスする、白人でしかも若くてハンサムなスター性、カリスマ性ある、かのエルビス・プレスリーだったそうで、エルビス大旋風が全米で起きるのが，ロックアラウンドザクロックの大ヒットの翌年、1956年なわけですね〜。

ところがこのエルビスも、「ニガーのような奴」と、音楽業界の思惑通り、大ヒットを連発、一大ブームを巻き起こすも、やはり白人の大人達からは、揶揄中傷されてしまったと。当時の米国は、日本人が思う以上に、病んでたわけですね。

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